冬季五輪を追うドローン―革新か、それともノイズか
- 2 時間前
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英公共放送のBBCが報じた、ミラノ・コルティナ冬季五輪の“ドローン中継”。
滑走する選手のすぐ後方を、カメラ搭載ドローンが高速で追尾する。
これまでのクレーンやワイヤーカムでは出せなかった視点。
まさに“選手の背中に張り付く”映像です。
SNSでは「映像は素晴らしい」「臨場感が段違い」と称賛がある一方、「プロペラ音が気になる」「2010年南アフリカW杯のブブゼラを思い出す」という声も。
革新なのか。それとも、やりすぎなのか。
これ、東京や万博でもできたのでは?
正直に言えば、技術そのものは新しくありません。
東京五輪でも、万博でも、やろうと思えばできた演出です。
FPVドローンも、低遅延伝送も、高速追尾も、すでに存在していました。
では何が違ったのか。
おそらく「やる覚悟」と「演出としての割り切り」です。
冬季五輪は、どうしても競技映像が地味になりがちです。
氷上・雪上競技はカメラの置き場が限られ、構図も似通う。
そこにドローンが入ったことで、一気に映像言語が変わった。
“冬の五輪が、急にエンタメとして面白くなった”
これは事実だと思います。

選手は本当に気になるのか?
BBCは、元スケルトン金メダリストの懸念コメントも紹介しています。
「些細な変化でも集中を乱す可能性がある」と。
一方、米国チーム関係者は「選手に音は聞こえていない」と断言。
正しいのは、あの速度域に入ったら“外界は消える”という事じゃないでしょうか。
むしろ、あんなカッコいい映像で撮ってもらえるなら、うれしいのではないでしょうか。
あの後方追尾映像は、確実に「競技の格」を一段上げました。
オペレーターもアスリートだ
忘れてはいけないのが操縦者の存在です。
あの速度で、あの距離で、墜落せず、選手に影響を与えず、しかも“美しく”撮る。
相当な訓練量が必要なはずです。
オペレーターもまたアスリート。
しかも、ミスが許されない五輪の本番。
あのプレッシャーは、競技に近い。
画面の向こうにいるのは、ただの操縦者ではありません。
ドローンの進化はウクライナだけではない
ドローン技術の進化というと、どうしても戦場の映像が先に思い浮かぶ。
しかし今回の五輪は示しました。
“技術の進化は、エンターテインメントにも来ている”
そして現実的に言えば――このレベルの高速追尾、低遅延制御、精密操縦。
戦争にも確実に投入される。
競技を撮る技術と標的を追う技術は構造的に近い。
そこに目を背けるべきではありません。
革新か、違和感か
五輪中継は常に進化してきました。
ワイヤーカム、スパイダーカム、4K、8K、360度。
その延長線上にドローンがある。
音が気になる?ならマイク設計を変えればいい。
違和感がある?それは新しいものが入った証拠です。
この革新はもう後戻りはしないでしょう。
競技はより没入型へ。映像はより身体感覚へ。
ドローンは、観客の“視点”を物理的に動かしてしまった。
五輪は、静かに次のフェーズに入りました。
ここ押さえておきたいところです。





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