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Avata 360に大型アップデートーウェイポイント追加で、定点観測から4DGSへ

10月22日
読了時間: 6分

DJI Avata 360に、撮影の使い方を変えるファームウェア更新が入りました。2026年10月20日の更新では、ウェイポイント機能、フォーカストラックでのズーム、ビジョンアシストの表示方向の自動切り替えが追加されています。DJI RC Pro 2への対応も加わりました。DJI公式リリースノート(2026年10月20日)


なかでも注目したいのは、ウェイポイントと360°撮影の組み合わせです。飛ぶ道筋を決め、撮る方向は後から選ぶ。その撮影を繰り返せるなら、楽しむための空撮から、現場の変化を残す記録へと用途が広がります。


工事進捗の定点・定経路撮影、時系列の3D記録、さらに4DGSなどへの活用。今回の更新には、そうした使い方への入口としての面白さがあります。もちろん、Avata 360に4DGSを作成する機能が追加された、という話ではありません。



Avata 360のウェイポイントは、360°撮影と組み合わさる


ウェイポイントは、飛行経路上の地点を設定して撮影を組み立てるための機能です。操縦のたびに同じルートをなぞろうとする負担を減らせれば、撮影対象や記録の取り方に意識を向けやすくなります。今回、公式に追加された機能の一つが、このウェイポイントです。DJI公式リリースノート(2026年10月20日)


通常の空撮では、機体をどちらへ飛ばすかと、カメラをどちらへ向けるかを一緒に考えます。Avata 360の360°撮影なら、周囲を収録した映像から、後で見せたい方向を選べます。飛行経路と、完成映像の視線を切り分けて考えられるわけです。


例えば、施設の周囲を一周する。同じ素材から、建物の外観を見せる映像、工事の進み具合を追う映像、周辺との位置関係を伝える映像を作る、といった使い方が考えられます。飛行中に向けたカメラの一方向だけに、記録の使い道を縛られにくくなります。


ただし、360°モードとシングルレンズモードでは使える機能や撮影条件が異なります。すべてのモードで同じ操作ができると考えず、用途に合う設定を確かめておきたいところです。DJI公式製品情報



定点観測の先に、4DGSが見えてくる


ウェイポイントが加わる意味は、一度の撮影を楽にすることだけではありません。同じ現場を、経路をそろえて繰り返し記録する。その使い方が、Avata 360の用途を広げます。


例えば、工事現場を毎週撮影する。造成が進み、構造物が立ち上がり、資材の置き場所が変わっていく。360°で周囲を記録しておけば、撮影時にカメラを向けた一方向だけでなく、後から確認したくなった場所も映像から探せます。


その記録を3D化して蓄積すれば、「いまの現場を見る」ことから、「現場がどう変わってきたかを見る」ことへ進めます。ダムや大規模造成のように、長期間かけて形が変わる現場でも、継続した空間記録の使い道はあります。


ここで用途として見えてくるのが、時間による変化も扱う4D Gaussian Splatting、4DGSです。3DGSが空間の見え方を表現するのに対し、4DGSの研究では、動きや変形を時間とともに表現する手法が開発されています。研究者による4D Gaussian Splattingの解説・論文(CVPR 2024)


工事進捗なら、離れた日付の3Dモデルを切り替えて比較する使い方が、まず考えられます。そこから、時間的な変化を一つの表現として扱う4DGSなどへの応用が視野に入ります。日ごとの3DGSを並べることと、4DGSとして変化をモデル化することは異なりますが、どちらも現場を継続して撮影する仕組みが出発点です。


もちろん、ウェイポイントを設定すれば、そのまま4DGSが完成するわけではありません。撮影ごとの位置合わせや時刻の管理、変化を捉えるための撮影頻度など、データを作る工程が必要です。まばらな撮影記録から、撮っていない時間の変化まで正確に復元できるとは限りません。


また、同じルートを設定することと、毎回まったく同じ位置・姿勢で撮れることは別です。今回の更新だけで測量精度や屋内・非GNSS環境での反復飛行が保証されるわけではなく、必要な精度に応じた検証が欠かせません。


それでも、同じ現場を繰り返し撮る手間が下がれば、時系列の空間データを集める取り組みは始めやすくなります。飛行経路をそろえ、空間を丸ごと記録し、その変化を残す。この流れで捉えると、今回の更新の意味がぐっと大きくなります。

ドローンの反復撮影、位置合わせした時系列3D記録、4DGSなどへの活用を3段階で示す概念図。各工程に処理が必要で、Avata 360の公式4DGS作成機能を示すものではない


追尾しながら、画角を変えられる


フォーカストラックには、ズーム機能のサポートが加わりました。被写体を追いながら、どの程度の大きさで見せるかを調整できれば、映像の組み立て方が変わります。DJI公式リリースノート(2026年10月20日)


例えば、走る人を周囲の風景ごと見せる場面と、人物を強調して見せる場面。同じ被写体を追う撮影でも、画角を変えることで伝わる内容が変わります。360°の収録と追尾、画角の調整が組み合わさるところに、この機体らしさがあります。


ここでいう追加は、フォーカストラックでのズームのサポートです。光学ズーム用の新しいハードウェアが増えたわけではありません。倍率や使用条件など、リリースノートに書かれていない点は、実機の設定や公式マニュアルで確かめる必要があります。



ビジョンアシストは「表示」の改善


もう一つの追加が、ビジョンアシストにおける表示方向の自動切り替えです。撮りたい方向と、機体が進んでいる方向が一致しない撮影では、周囲の状況を把握するための表示が使いやすくなることに意味があります。DJI公式リリースノート(2026年10月20日)ただし、表示の改善と、障害物検知そのものの性能向上は分けて読む必要があります。この更新情報だけで、検知範囲が広がった、あらゆる方向の衝突を防げる、とまでは言えません。自動飛行や追尾を使うときも、飛行環境の確認は引き続き必要です。



RC Pro 2にも新たに対応


今回の更新では、DJI RC Pro 2への対応も追加されました。Avata 360で利用できる送信機の選択肢が広がります。


2026年10月20日付の主なバージョンは、DJI Avata 360:v01.00.0800、DJI RC Pro 2:v01.00.0900、DJI Fly:v1.21.16です。DJI公式リリースノート(2026年10月20日)


利用する機能に応じて、対応する機体・送信機・アプリのバージョンを確認しておきたいところです。



飛行の更新が、記録の更新につながる


360°映像の面白さは、飛ばした後にも視点を選べることです。そこに経路を組み立てる機能が加わると、何を一度撮るかだけでなく、何を繰り返し残すかまで考えられるようになります。


毎回の空撮を一本の映像で終わらせず、前回の記録とつなげる。工事の進捗を確認し、施設の変化を追い、必要なら3D化して比較する。4DGSは、その延長に見えてくる用途の一つです。


更新後は、機体・送信機・ゴーグルなどを再起動し、飛行設定も確認しておきたいところです。公式リリースノートは、RTH高度や最大飛行距離などの設定がリセットされる場合があるため、更新前に設定を記録し、更新後に再確認するよう案内しています。DJI公式リリースノート(2026年10月20日)


Avata 360を、飛ばして楽しむカメラとして使う。それに加えて、現場の時間を記録する道具として使う。今回の大型アップデートは、後者を考えるきっかけになる更新です。


※本稿は2026年10月22日時点の公式発表を基にした機能解説と活用の考察です。4DGSや工事進捗管理への応用は、DJIが今回発表した作成機能ではありません。掲載画像は活用を説明するための生成イラストで、実際のアプリ画面や処理結果ではありません。

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